2年前に映画化もされて話題になった「ふがいない僕は空を見た」を読んだので(レビュー書いてないけど)、他の作品も読んでみようと思い借りてみました。
- 作者: 窪 美澄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/03/22
- メディア: 単行本
75歳の晶子は現役のマタニティスミングのコーチ。40年にわたっていろんな妊婦に接してきました。
その晶子の人生と、生徒の一人である真菜の人生。それがそれぞれ1章ずつ独立して語られた後、晶子は熱心ではないが故に気になる生徒だった真菜に東日本大震災の日を境にかかわるようになります。
「食べる」ということが大きなテーマ。生きることは食べること。
そんな晶子と、母親が有名な料理研究家であることがトラウマになって「食べること」に対して過剰反応する真菜。
晶子を中心とした疑似家族のようになるわけですが、最後まで真菜は自分の両親とは心を通いあわすことができません。血がつながっているからといって、必ずしも絶対の関係を築くことはできないのだという厳しい現実。
新しい希望もあり、そして諦めもあるというラストに爽快感はありませんが、「家族」について考えさせられます。