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NOVA1 書き下ろし日本SFコレクション

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NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日本SFコレクション)

NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日本SFコレクション)

  • 作者: 伊藤 計劃
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2009/12/04
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆

編者による「序」によると、短編SFがあまり書かれていないんだそうだ。
長編や連作短編は多くても、独立した短編は発表媒体もあまりなく、
年間で40~50作くらいしか発表されてないらしい。
(この本が発行されたのは2009年なので、現在は違ってるかも知れないけど)

「スター・ウォーズ」から始まったSFブームのおかげで、
20代の頃はけっこうSF専門誌ってあったよなあ。
「SFマガジン」は昔からあったけど、
「SFアドベンチャー」とか、
(「真幻魔大戦」が看板だったっけか。弟が大好きで買ってたなあ。)
「奇想天外」とか(新井素子が17歳でデビューしちゃったよね)。
あと「SF宝石」なんてのもあったっけ。

でも「SFマガジン」以外はみんな休刊しちゃったからねえ。
確かに発表媒体は少ない。

そこで、書き下ろし短編だけで一冊の本を作ってしまおう、というのが
この本の企画意図とのことだ。
第一弾となる本書には、
「2010年代の日本SFの中軸を担うべき作家たち」から寄せられた
11編が収録されている。

アンソロジーなので、当然ながら私とは相性の悪い作品も入っているけど、
その代わり、普段読めない作家のものが読めるのは利点。

私のベスト3は、以下の通り。

「エンゼルフレンチ」(藤田雅矢)
深宇宙に向かう無人探査機にラブ・ストーリーを絡めた感動の一編。
星野之宣あたりにマンガ化して欲しいなあ。

「七回跳んだ男」(山本弘)
月面基地で起こった謎の事故死をめぐる、アシモフばりのSFミステリ。
現役のSF作家では、たぶんいちばん好きなのがこの人。
長編も短編も、ホントいい仕事してる。

「ガラスの地球を救え!」(田中啓文)
70年代日本SFと「宇宙戦艦ヤマト」が好きな人なら必読の一編。
ドタバタ・パロディが得意な人だけど、その本領を遺憾なく発揮してる。
もう一行目を読んだ瞬間から「どひゃあ!」である。

もう、この三作品が読めただけで★1個増量である。


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