・植木慎二著。
・世界中で使われている鉄筋コンクリート。一見堅牢で、永遠に崩れないように見えるコンクリート建築物の現実を描く。
・川砂を掘り尽くしたから海砂を除塩せずに使っていたり(→鉄骨が錆びる)、鉄骨にコーティングをしなかったり(→鉄骨が錆びる)、工期短縮のために養生期間を短縮したり(→強度が出ない)、文字通り水を多く入れて使いやすい水増しコンクリート(シャブコン)を使ったり(→隙間が多くなるので、水が染み込みやすくなり、水が鉄骨に届き、錆びる)、余って固まりかけたコンクリートに加水して再利用したり(→強度が出ない)、検査機関に提出するサンプルは『別途製造』していたり(おお、もう。。。)。
・建設現場で生コンを作らず、ミキサー車で送り込まれるコンクリートの場合、例えば道路が渋滞していたり、段取りが悪かったりすると最適な固さで納入ができなくなるため、それを無駄にしないために加水してしまったりするそうで。コンクリートって、生モノなんだな。
・コンクリート業界の暗部が描かれています。
・コンクリート業者は建設会社のことは考えていても、実際に住む人たちのことに心が至っていない。建設会社は予算や納期のことしか考えていない。もちろん、一部の悪質な業者だけだとおもいますけどね。と、信じたい。
・家を建てるときは、ちゃんとした業者を選ぼう。いっそ木造?
・きちんと作れば長く使えるんだけど、手抜きをしようとすればいくらでもできる。それはすべての製造業に言えること。yogiさんが作ってソフトウェアもそう。
・この本を読んでから、ビルを見上げてひび割れがないか、観察するようになった。結構、怖いよ。
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