・ポール・トーディ著、小竹由美子訳。 ・イエメンの富豪から、砂漠に鮭釣りができる川を作ってほしいと依頼された国立水産研究所のジョーンズ博士の奮闘と、思わぬ形で広がってゆく『イエメン/鮭』プロジェクトの顛末を描く。 ・電子メール、博士の日記、政府機関の取り調べ記録、政府広報官の回顧録(未刊行)などをつなぎ合わせる形で全体像を描写。これがなかなか良い。通常の小説とは違って、叙情的な描写が少ないので、日英の文化・表現の違いなどで混乱することがなく、すらすら読み進められる。翻訳者の技量もすばらしいのでしょう。 ・表紙が可愛らしく、砂漠で鮭釣りを、なんて荒唐無稽なプロジェクトなので、コメディかと思いきや、シリアスなお話だった。政府の広報官のドタバタした感じを除いて。 ・勝手に単身赴任していってしまう妻、助手の婚約者はイラク戦争に従軍して行方不明。 ・『タイセイヨウサケ』という単語の語感がすごく気に入った。いわゆる『アトランティックサーモン』のことね。 ・主人公のジョーンズ博士はだいたい40代のyogiさんと同じくらい。なんとなく親近感が湧く。 ・『砂漠でサーモン・フィッシング』という邦題で映画化されている。主演はユアン・マクレガー。これ、観ようか迷ったんだよなぁ。 ・イスラム圏の思想がじんわりと底に流れている。『愛よりも、夢よりも大切な物は、信じる心』だそう。
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