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「ヤマケイ入門&ガイド 沢登り」手嶋亨と童人トマの風

「ヤマケイ入門&ガイド 沢登り」 編著:手嶋亨と童人トマの風 画:江崎善晴 発行:山と渓谷社 手嶋亨(てじまとおる)氏の作品。 1953年、東京生まれ。 童人トマの風創立以来の代表。はじめての登山は雲取山。それ以来、登山歴は45年になる。沢登りは30年前に講習会に参加して始めた。各ジャンルの登山を行ったが、行き着いたところは無雪期の沢登りと積雪期の山スキー。沢登りでは硬軟ルートとり混ぜ、各地に足跡を残す。あまり人の入らない、とくに雪国の山域を好むが、有名な大渓谷にも通う。 共著に、「すぐに役立つ沢登り読本」(茂木完治と共著 東京新聞出版局)、「森と水の恵み」(高桑信一編 みすず書房)がある。 亡くなられた知り合いのEさんは遡行図の収集を趣味にしていた。 売られている遡行図もあるようだが、ほとんどが、実際、沢登りを楽しんでいらっしゃる方のノートやメモなどを分けて貰ったり、コピーを取ったりしていたらしい。 時には、古本屋に出回った個人のノートのようなものや珍しい本を、結構な金額を出されて買われていたようである。 Eさん自身も若い頃は沢登りを楽しんでいたようであり、油紙に包まれた遡行図を見ては、「昔と違う」、「いい加減なものだな」などとよく言われていた。 実際、遡行図は沢登りをした人の主観で作られるようで、人により随分違うものが出来るという。 Eさんも経験を駆使して見る遡行図の臨場感に、時には辟易し、また酔いしれていたのかもしれない。 本書は、沢登りの魅力をバックボーンに、適した用具(服装、靴、ヘルメット、ザックと防水パッキング)や沢の歩き方、ロープの使い方、ヤブこぎ、遡行図の見方、ビバークなどのことが初心者でも理解を深めやすく解説された書き物である。 滝の登り方、高巻きの技術、雪渓の注意点などは興味深い。 沢登りルートガイドが57本収録されており、ガイド、写真、遡行図などが掲載されている。 Eさんが亡くなられたとき、葬儀は御自宅での密葬であったが、たくさんの方がいらしていた。 聞きづてだが、集めていた遡行図は友人の方が引き継がれたらしい。 途切れることなく引き継がれることを願ってやまない。

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沢登り (入門&ガイド)

沢登り (入門&ガイド)

  • 作者: 手嶋亨
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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