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自分も犯人…!?

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帯の“読者全員が犯人”にひかれて購入。 ある作家に届いた“ミステリー界最後の不可能トリックを買ってほしい”という手紙を軸に、買おうかどうしょうか迷う作家の日常が綴られていきます。 その“読者全員が犯人”というトリックというかオチについては賛否両論あるだろうなあと思いますが、展開が面白くてぐいぐい読んでしまいました。 トリックを買う話についてはなぜか途中で立ち消えになってしまい、どうなるんだよ!と思っていたところ、最後にトリックと作家の周辺で起きていた様々なちょっとしたことがひとつにまとまったときは、あ~なるほどなあ~っ!と軽く膝を叩く感じでした。 手紙をめぐる出来事とは別に、作家が、あるかなり変わった分野の研究について大学教授に取材したり、テレビ番組の収録に居合わせたりするなど、一冊のなかの大部分を費やして描かれています。一見本筋とは全くつながらないのですが、ラストにちょっとした仕掛けがあり、それにも驚かされました。 個人的にはオチに対しては、ふふふふ~んというところ。ついニヤッともしてしまいます。 初読の著者でしたが、メフィスト賞受賞作とのこと。そのせいなのかどうなのか、構成がかなり凝っていてはまりました。そういえば『人間の尊厳と八〇〇メートル』も最近書店でおされていてちょっと気になっていたのを思い出しました。

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