西内啓の『統計学が最強の学問である』です。amazonの書評を見ると、評価が分かれていますが、全般に統計学の初心者には評価が高く、統計を少しかじった方には評価が厳しいといった印象です。このことから判るように、初心者向けの本と言えますね。
特に、本書の冒頭当たりは、格別に新しいことを言っているわけではないが、よく整理されて、興味をひくように書かれている。一方で、他の方の書評にもありますが、第6章統計家たちの仁義なき戦いは、何が言いたいのか不明ですね。まぁ、統計にもいろいろな考え方があるのだというのは判りますが…。ITの世界でいうと、ビッグデータという言葉が流行っていますが、その言葉については的をいた解釈をしています。
どんな計算でもできる技術ができた今、何を計算すべきか考えると、統計解析以外にあり得ない。そして、もし「統計解析」という地味な言葉が、お題目として魅力的でないならば、「ビッグデータ」といった流行り言葉を生み出せばいいのだ。これは当たっていますね。