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遠藤光貴監督ドラマ『海の斜光』

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【円卓の騎士さんから感想をいただきました。いつもありがとうございます。】  フジテレビ『赤と黒のゲキジョー』という枠(そういう枠があることを今時知った)で放映された森村誠一原作のドラマです。原作は読んだことなし。出演、浅野ゆう子、石黒賢、有森也美、佐戸井けん太さん。

海の斜光 (角川文庫)

海の斜光 (角川文庫)

  • 作者: 森村 誠一
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: 文庫
 何の気なしに見てみましたが、意外によくできている。浅野さん扮する主婦が息子、夫を次々に亡くし、犯人を探していくというもの。一応犯人当ての形式です(当たり前か)。  脚本にいささか問題が。いや、原作を読んでいないのでこれでもよくした方なのかも知れません。というのも、冒頭から謎が多すぎるというべきです。少なくてすぐにわかるよりはいいと思われるかもしれませんが、私は余りそうは思いません。  息子が死んでから、いや死ぬ直前から、身元不明(でいかにも怪しげな登場の仕方)な人物が二人出てきた後に、それが一寸も解明されないまま、夫がいなくなって伊豆に調べにいくと、吉田羊さん扮する、これまた訳のわからない人物が接近してきます。  謎また謎ということなのかもしれませんが、これだと掴みどころがないという印象しか持たない。私ですら僅かばかり見るの辞めようかなと思ったくらいです。謎また謎をやる時は、謎な人を出したら、それがある程度わかった時にもう一人の謎な人を出すというのが理想だと思う。ただ羅列すればいいというものではない。それが興味を引く書き方というものだと思っています。それに謎な人をある程度描いてから、次の人に映らないと、出し入れだけで、視聴者のストレスは高くなってしまう。しかも謎を続けてしまうと、どんでん返しを予想されてしまうというデメリットもある。  さて、にもかかわらず私が見るのを辞めなかったのは、演出がよいと思ったからです。遠藤光貴監督というのは、私、初耳でした(済みません)。こういう言い方は何ですが、二時間特有のつまらない映像がなかった。まずちょこまか細かく切らない。俳優に演技させていたというべきでしょうか。レストランのパーティも安手なセットではなかったですし、奥行きがあるように撮れていたと思う。また戸外の映像は光に上手に色をつけていて、とりわけ林の中の映像は色が大変綺麗でした。海を映したところも色合いがよかったと思います。絵は概して広めで、私はその方が好きです。  というわけで、特に期待しなかった分(またまた申し訳ありません)余計に楽しく見られました。

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