移動の列車の雑誌だったか、著者のエッセイを目にする機会があり、その文章の品のようなものに惹かれていました。 そんなこともあり、本書を手に取りました。 筆名から全く想像がつきませんが、最後の無頼派と呼ばれる著者ですが、その文章からはそのようなことは全く感じません。酒を飲んでぐだぐだになったとか、ギャンブル好きだとかはありますが・・・。 十分無頼派ですね。 書名に「流儀」とあるとおりで、本書は伊集院静流の生き方を書いたものです。 基本になる考え方は、どちらかと言えば古臭く、目上を立てる「儒教的」な考えをもっているように思います。 また社会の理不尽も理不尽なりに受け入れて生きるべきだなど、独特の美意識も持ち合わせた人物です。 それらは一種の奥ゆかしさでもあり、嫌いではありません。 つらくともつらい顔をせず、背筋を伸ばすような生き方は憧れでもあります。 好き嫌いは別れそうな気もしますが、シリーズ累計で100万部を突破しているだけはあります。 伊集院静「大人の流儀」講談社 定価 933円+消費税 「続・大人の流儀」「別れる力 大人の流儀3」「許す力 大人の流儀4」も既刊
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