『氾濫するマーク』 田中正躬 2012/10
著者経歴不明。 製品に付けられるマークに関する本。
多くの国で、環境・安全や人権、持続可能性などの観点で、多数の適合マークが作られている。グローバル化によって各地で作られたマークが氾濫し、消費者が何のマークなのか分からなかったり、思わぬところで商取引の制限になったりしている。
体系的な国際ルールは、ISO(国際標準化機構)のCASCO(適合性評価委員会)での原理原則やISO/IEC17030(第三者適合マークに対する一般要求事項)が制定されている。しかし現実のマーク制度は多様化を極め、マークの氾濫は止まらない。
アメリカにはドルフィンセーフマークというものがある。NGOの運動により、マグロの缶詰に付けることを法律で義務付けている。マグロを獲る時にイルカを巻き込んで殺していないことを証明するマークである。このラベリングに関してメキシコがWTOに貿易制限的な措置として提訴した。このマークの規定では、全米熱帯マグロ類委員会が認定したオブザーバーを漁に同行させなければならない。
多くのNGOは、ISOのマークに関するルールに正当性があるとは考えていないと述べる。
↧