Quantcast
Channel: So-net blog 共通テーマ 本
Viewing all articles
Browse latest Browse all 53333

智天使(ケルビム)の不思議

$
0
0
智天使(ケルビム)の不思議 (光文社文庫)

智天使(ケルビム)の不思議 (光文社文庫)

  • 作者: 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/03/13
  • メディア: 文庫
<裏表紙あらすじ> 昭和二十八年、一人の金貸しが殺された。警察は没落華族の若い女とその家の元使用人を犯人と断定。だが、二人には難攻不落のアリバイがあり、事件は迷宮入りしてしまう。女は後に、一躍、人気マンガ家となるが、三十四年後、今度は彼女の元夫が不審死を遂げる――。二つの事件を追う名探偵・水乃サトルは、悪魔的な完全犯罪計画を見破れるのか? 究極の本格推理。 本書は、東野圭吾の「容疑者Xの献身」 (文春文庫)をめぐる論争に対する回答として書かれたそうです。 そのため「容疑者Xの献身」 を意識した人物配置、人間関係(要するに、“愛” ですが)が取られており、この影響で、いつもの水乃サトルものの軽さがかなり失われてしまっています。 いつもと仕上がり感が違うので、二階堂黎人としては異色の作品になっており、不思議な読みごたえは感じましたので、軽くないということは必ずしもマイナスではありませんが、個人的には、水乃サトルもののこの路線には疑問を感じます。水乃サトルものではない、単独作品にした方がよかったのでは? ちょっと度を越して時代がかった感があるところは、二階堂蘭子シリーズとも共通する二階堂黎人の持ち味(≒通俗探偵小説風味)でもあるので個人的には楽しみましたが、“愛”という要素に絡めるとちょっと雰囲気が変わりますし、一般受けはしないのではと心配します(まあ、一般受けなど望んでおられないかもしれませんが)。 さて、二階堂黎人といえば、いつもトリックが素敵なのですが、今度はどうでしょうか? 冒頭に出てくる密室トリックはおまけみたいなものなので、これであれこれ言うと作者に気の毒だと思います。 眼目はやはり、アリバイトリックにあるのだと思うのですが、これはさすがにうまくいかないと思います。 事件が発生したのがさまざまな鑑定技術がいまほど発達していない1953年ということを考慮しても、つらいと思います。 ただ、「容疑者Xの献身」 を意識した形のトリックになっていることは、振り返ってみて楽しいな、と思いました。 紅白歌合戦を小道具に使っているのも、個人的には気に入りました(もっとも、個人的にはそのせいで仕掛けに気づきやすくなってしまいましたが)。 一方で、倒叙形式で犯人側の犯行を描いておくがゆえに、一層読者が真相に気づきにくくなる、という構図は、「容疑者Xの献身」 を踏襲したものと考えられますので、「容疑者Xの献身」 論争をめぐる回答としてはどうでしょうか? 違う構図で「容疑者Xの献身」 に勝負を挑むべきではなかったかと、そんな風に思います。 二階堂黎人らしさあふるれるところと二階堂黎人らしくないところの入り混じったとても興味深い作品でした。 <おまけ> 本書は三部構成で 第一部 過去と現在 で 時代背景が1953~1954年と1984年 第二部 現在     で 時代背景が1987年 第三部 もっと現在  で 時代背景が1996年 となっているのですが、「もっと現在」って表現、どうですか? 言いたいことはわかりますが、作家の書く表現とは思えませんね...

Viewing all articles
Browse latest Browse all 53333

Latest Images

Trending Articles


2023年10月21日に徳島県鳴門市にある宝幢寺で発生した火事の記事を探しています。NHKのインターネットニュースで、この日に火事が発生したことは確認済み...


カラオケ鉄板ネタになるの間違いなし「大塚愛から福原愛」って何!?


サンプラザ中野くんさんの娘が悪いのか、中野さんが悪いのか、何とも言えませんな。週刊文春より


【速報】「ハンターハンター」最新話、ゴンとキルアが12年ぶりに登場!!!【414話】


本田翼 ラクトノナデカペプチド NIPPLTQTPVVVPPFLQPE


カグミ(才津香果)年間高級リゾート200泊美女の経歴,Wikiプロフやテティアロア島がヤバイ


粗品、クイズミリオネアでテレフォンの誤答に「かけてくんなや」と一喝粗品、クイズミリオネアでテレフォンの誤答に「かけてくんなや」と一喝


報道局ニュースセンターで番記者として活躍中の澤井さん。そのやりがいとは?(ビジネスパーソン研究FILE Vol.175 株式会社テレビ朝日 澤井尚子さん)


9月号(7月23日発売)の連載「先生の特別授業」は「沖縄県立コザ高等学校」の吉元弘樹先生です。


【脅迫】東組二代目清勇会若頭の大野大介容疑者を逮捕



Latest Images