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●「伯爵と妖精 オーロラの護りを胸に」谷 瑞恵

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「伯爵と妖精 オーロラの護りを胸に」谷 瑞恵 妖精と謀略とドキドキの英国風ファンタジー

伯爵と妖精 オーロラの護りを胸に (伯爵と妖精シリーズ) (コバルト文庫)

伯爵と妖精 オーロラの護りを胸に (伯爵と妖精シリーズ) (コバルト文庫)

  • 作者: 谷 瑞恵
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/03/30
  • メディア: 文庫
読了日:2013.06.17 分 類:ライトノベル ページ:293P 価 格:552円 発行日:2012年4月発行 出版社:集英社(コバルト文庫) 評 定:★★★★ ●作品データ● ---------------------------- 主人公:リディア・アシェンバート     エドガー・アシェンバート 語り口:3人称 ジャンル:英国風ファンタジー 対 象:ヤングアダルト向け 雰囲気:少女漫画風 結 末:一応決着、次に続く イラスト:高星 麻子 装 丁:織田 弥生 --------------------------- 【100字紹介】 英国、ヴィクトリア朝時代が舞台のファンタジー・ライトノベル第28巻。
英国に上陸したものの、仮病で何とか足止めするリディアたち。
ある老姉妹の屋敷で、エドガーが甥と勘違いされて事件に巻き込まれることに…。
シリーズ28巻目。本編です。 イブラゼル決戦後の船旅は終わり、ついに英国に上陸。 でもそのまままっすぐおうちに帰るわけにはいかない一行。 とりあえず、リディアの「仮病」で、すぐには動けない、 という状況を演出するのですが、港町の宿で何者かに襲われるリディア。 港町にそのまま滞在するのは危険だということで、 移動する途中、本当にリディアの体調が思わしくなくなり、 やむなく、とある老姉妹の屋敷に身を寄せることに。 で、そこの「甥」と勘違いされたエドガーが、 そのまま「甥」のふりをして滞在することになるのですが、 その家のごたごたに巻き込まれていく、というお話。 エドガーには過去を思い出されては困るので、 結婚していることも伏せているリディアですが、 そうなると必然的にエドガーは独身、ということになり、 しかもエドガーとリディアは身分違い。 老姉妹の屋敷に滞在にやってきた、 姪の男爵令嬢となら貴族同士で…と戸惑いを隠せないリディア。 体調不良も手伝って、なかなか苦しい立場です。 今回も、とにかく設定の勝利ですね。 身分違いの恋、明かせない結婚の事実、それでも離れられない。 これまでこつこつと積み上げてきた設定の中で、 これほど巧い舞台を構築するとは。 シリーズをただ長く続けてきただけではない、27冊分の重み。 貫禄すら感じる物語です。 エドガーの方の描写も、実際のところ結婚前よりも むしろ自然に戻ってきた感じが。 その意味では、著者自身のスキルも上がっている…!? …と思いました。 さてこの切ない物語は、一体どちらへ向かうのか。 ニコをめぐって、順調(?)に気の合うところを見せ付けてくれる レイヴン&ケリーのこれからも、やたらと気になります。 イラストの美麗さは相変わらずですが、 今回は、くすっと笑ってしまうシーンの可視化も素敵でした。 はい、次巻も楽しみです。 --------------------------------- 文章・描写 :★★★★ 展開・結末 :★★★★ キャラクタ :★★★★ 独 自 性 :★★★★ 読 後 感 :★★★★ --------------------------------- 菜の花の一押しキャラ…エドガー・アシェンバート 「レイヴンさんくらい朴念仁なら、近寄ってくる女性を無意識に幻滅させるんですけど」
 ケリーは何度も幻滅したに違いない。
「でもケリー、彼を嫌いじゃないでしょう?」
「慣れただけです。あそこまで破壊力があると、かえって興味がわくものですわ」
                            (ケリー&リディア)

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