『頭がいい人、悪い人の<口ぐせ>』 樋口裕一 2006/03
著者は京都産業大学客員教授。 気付かないうちに使っている口ぐせについての本。
「さすが・・・・は違うねえ」 この種の口ぐせの人に悪気があることは少ない。気軽なコミュニケーションか、むしろほめているつもりである。だが言われた方はあまり良い気はしない。言われた人は皮肉と受け取る。同じ口ぐせでも、本当に皮肉を込めて言う場合もある。
「なんの権利があって、そんなことを言うの?」 面目を潰されたと感じたとき、正当な反論ができないと、このように言う。話の内容でなく、言う権利の問題に論点をずらそうとしている。
「それで?」 「お前の話は分からない」と批判したいときにこの表現を用いる。相手に与える印象がかなり悪い言葉。同じニュアンスに「オチは何?」「要するに、どいうこと?」などがある。
「やっぱり〇〇ですよねえ」 受け売りを言いますよと宣言するようなもの。知的でない人がこの言葉を使うと、まさしく誰もがわかっている常識を繰り返すだけになる。
「私って〇〇じゃないですか」 聞いてる人は「誰もお前のことなんか、そんなに知らないよ」と感じる。聞き手が誰であれ自分のことを知っている、自分は特別だと思い込んでいるのが感じられる。
「それってビミョー」 あるいは、感想を聞かれて「ふつー」という場合。自分の説明能力がないことを示している。
「~してみたいと思います」 「説明します」を「説明してみたいと思います」のように使う。はっきり断定すると無粋な感じを与えると思っている。しかしこれではいかにも自信がないような印象を与える。
「理由は三つある」 知的に見える口ぐせだ。著者が出会ったフランス人にこういった話し方が多かったという。そして、「三つある」と言った時点ではまだ三つの理由を考えているわけではないのだとか。
↧