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ヴィルヘルム・マイスターの修行時代2

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 「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」 ゲーテ作 山崎章甫訳 (岩波文庫)  「美わしい魂の告白」(第6巻)について

ヴィルヘルム・マイスターの修業時代〈上〉 (岩波文庫)

ヴィルヘルム・マイスターの修業時代〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: J.W. ゲーテ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/01/14
  • メディア: 文庫
 「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」は、全8巻の構成です。  (文庫本では三分冊。上=1~3巻、中=4~6巻、下=7~8巻)  そのうち、第6巻だけが、「美わしい魂の告白」と題されています。  ある医師が渡してくれた、某婦人の手記という形をとっています。  突然挿入されるエピソードです。  私は最初、この巻を、「いったい何なんだ」と、戸惑いながら読みました。  前後のつながりが分からないため、意味のない物語のように感じたのです。  だからこの巻が、全体の調和を乱しているように感じました。  しかし実際は、この巻が前後半をつなぐ働きをしているようなのです。  後半に入ると、前半の人間関係の謎が、次々と明かされます。  そして、その謎解きの鍵となっているのが、この第6巻です。  座長ゼルロの妹を振った男、以前演劇活動を支援してくれた伯爵夫人、  一座の女優を追っかける青年、そしてヴィルヘルムの憧れの女騎士・・・  一見ばらばらだった人々は、この巻の中に収斂していました。  さらに、ヴィルヘルム自身が、「美わしき魂」の一族とつながり・・・  その後、少年フェーリクス出生の意外な事実や、マリアーネのその後や、  竪琴弾きの老人と、ミニョンの出生の謎まで、次々と明かされていきます。  いろんなものが次々につながっていって、不思議な感じさえします。  そういえば、修業証書を渡される場面は、少しオカルト的でした。  人生には、多少のオカルトめいたものが、含まれているのかもしれません。  突然符合のようなものを感じたり、信じられないような偶然があったり。  ヴィルヘルムにとって、オカルト的なものを感じるきっかけになったのが、  「美わしい魂の告白」を読んだことだったのかもしれません。  そういう意味で、この第6巻は、全体の要になる重要な巻だと思います。  さて、「ヴィルヘルム・マイスター」には、続編「遍歴時代」があります。  修行が終わったのに今度は遍歴か、と驚いてしまいますが。  「遍歴時代」も、岩波文庫から三分冊で出ていたのですが、現在は品切れ。  重版を強く望みます。
ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代〈上〉 (岩波文庫)

ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: ゲーテ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/02/15
  • メディア: 文庫
 さいごに。(ワンピース)  最近、娘がはまっているのが、「ワンピース」。  小学校から帰ってきてから、必ず見ているようです。

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