モームの著書は、中学生の頃から溺愛して読んでいるが、作者のモームについては、あまり興味を持ってこなかった。彼のエッセイから察するに、多分シニカルな性格なのだろう、くらいには考えていた。また、サミングアップという著作とともに「スパイ」活動をしていたと言うことも知った。数年前の新聞記事で、日本では1950年代にモーム・ブームがあったそうだ。そういえば、中学から高校・大学生になると、書店の書棚から、モームの本が少しずつ減っていくのが分かった(多分1960年頃からブームの収まりとともに、少しずつモームの本が廃版になっていったのだろう)。そのため、大学時代には、モームの古書を探しに、リュックサックを背負って、よく神田界隈を歩き回った。相変わらずモームの作品を溺愛している身として、彼自身について少し知ろうをこの本を読んでみた。モームという作者を以前よりほんの少しだけ知った後、読んできた彼の作品をもう一度じっくり読み返したくなった。
krause