<すると、主は言われました。『行け、わたしがあなたを遠く異邦人のために遣わすのだ。』(10節)>
ダマスコのアナニアは「立って、ユダの家にいるサウロという名の、タルソス出身のものを訪ねよ」と主から命じられ「その人はエルサレムで、どんな悪事を働いたか、大勢の人から聞きました。ここでも、み名を呼び求める人をすべて捕えるため、祭司長たちから権限を受けています。」と拒んだ。
主は言われた。「行け、彼は異邦人や王たち、またイスラエルの子らにわたしの名を伝えるために、わたしが選んだ器である。わたしの名のためにどんなに苦しまなくてはならないかを、わたしは彼に示そう」。アナニアは、サウロのもとに行きその上に手を置いて祈った。サウロは元通りになり身を起こして洗礼を受けた。
その後、パウロは3年ほどダマスコで、イエスがメシアであることを宣べ伝えながら滞在した。そして、エルサレムに着き、弟子の仲間に加わろうとしたが、皆は彼を弟子だと信じないで恐れた。
ユダヤ人の間でパウロの汚名は消えることがなかった。孤立する中、神殿で祈っているパウロに主が、エルサレムから出て行くようにと命じられ「わたしについてあなたが証することを、人々が受け入れることはない」と言われた。
神殿でのパウロの祈りはどういう内容だったのだろうか。自分の回心を誰も信じません。かつて教会を迫害していたわたしがあなたのみ名を証しても誰も受け入れることはないでしょう。罪びとのわたしにはこの使命は重すぎますとでも祈ったのだろうか。
「教会の迫害者パウロを異邦人伝道へと召されたのは主なる神ご自身であり、それは神の深い知恵から出たご計画です。・・・こうしてユダヤの地で教会の迫害者として知られたパウロは、主なる神によって選ばれ、そのご計画のうちにエルサレムを離れ『遠く異邦人』のために遣わされることになったのであります。」と住谷牧師は結ばれる。
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