“就職浪人中のアズサは特技に「探し物」と書いて提出した
履歴書のおかげで何とかアルバイトが決定。
職場は山の上の不思議な郵便局。そこで不思議な人々に
出会う。
生きることお意味をユーモラスに教えてくれる癒し小説!”
・・・というのが、今回紹介する「幻想郵便局」の表紙裏に
書いてある内容紹介文です(ただし抜粋ですが)。
最初に読んだ感想をズバリ申しますと、面白かった、だけ
ど読みたいランキング1位というのには違和感を感じた・・
って感じになりますでしょうかね。
あくまで読みたい度ランキング1位だから、読んだあとに
違和感を感じたっていう見方も変かもしれませんが、それに
したってランキング1位というほどのインパクトはなかったよ
うに思うんです。
いや、あのですね、インパクトがなくてダメだったといって
るわけじゃないんですよ。
「幻想郵便局」のような優しさと親しみやすさがあふれる、
癒しのファンタジー小説って、なにかのランキングの上位を
狙ってない感じが逆に良いんだと思うってことを言いたい
んです。
冒頭で申しましたように、表紙裏の紹介文ではこの本のこ
とを「生きることの意味を教えてくれる本」としています。
でも、おそらくは、堀川先生はこの物語にそういう明確なメ
ッセージをこめてないと思うんですよ。
主人公のアズサが社会人になり交流を深めるひとたちが、
たまたま、彼岸に渡っていこうとしている様々な人たち(あ
るいはこの世に未練があってウロウロしている人たち)、
まぁつまり幽霊なわけですけど、そんな人たちとの普通で
はない体験を通じて彼女は、心のうちに抱えていた漠然と
した不安を、自信のなさをほんのちょっとだけ軽くでき、一
歩か二歩だけ前に進めています。
この「幻想郵便局」は、そんなアズサの成長物語から何か
の教訓や新しい考え方を得よとかは言ってなくて、ただほ
んわかと共感するひとがいれば良いってくらいのスタンス
なんだと思います。
ですからミシェルはこの本のことを、2013年度上半期(+
1か月か)のベストワンじゃなくてベスト6位くらいの本とし
て、みなさんに紹介したいかなぁって思います。
おわり
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