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書楼弔堂

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こんにちは本日オススメする小説は 京極夏彦『書楼弔堂』(集英社)です。

レビューでこそ紹介してませんが 久しぶりに京極夏彦さんの小説を読みました。 今作は百物語シリーズと京極堂シリーズの中間の 時系列の物語です。 他のブログのレビューなどでは百物語や京極堂シリーズとの 関連性について触れていますが あまりきにせずに読まれることをオススメ致します。 むしろ他のシリーズとの繋がりばかりに気を取られていると 本書の楽しみを台無しにすることになります。 本文中に出てくる主人公の台詞に 「作品には互いに良い処も悪い処もある。 違うとしても優劣ではなく差異です。」 というのがあります。 一応他のシリーズとの関連を知りたくて このブログにたどり着いた方もいるかと思われますので 他の作品との優劣ではなく差異を挙げるとするなら 今作には実在した著名人が迷い人となり 古書を扱う本屋の弔堂(とむらいどう)へと訪れます。 ここでいう迷い人というのは 道に迷ったという意味ですが それは人生の道に迷った人ということです。 その迷い人に弔堂の店主は一冊の本を紹介することによって 訪れた人間の心の迷いを取り払います。 これは1話完結で話ごとに毎回訪れる客が違う設定になっています。 百物語や京極堂でいうところの『妖怪』や『憑きもの落とし』を 本でやっているということになります。 京極夏彦さん自身も 「この世にはつまらない本などない」を自で行くほど本が好きだそうで 今作に登場する本や書店に関する蘊蓄や舞台設定は 好きなことをそのまま小説にしているという感じがします。 もちろんこれまでのシリーズのように妖怪も好きなのでしょう。 本の装丁や弔堂というタイトルから 幽霊の話が主かと思いきやそうでもなく 他のシリーズとは独立した作品としても じゅうぶんに読み応えのある作品だと思います。 本を通して人生観、死生観、宗教や人間の在り方などを 京極堂や又市の口調で語られます。 ただ弔堂の口調は他のシリーズよりも内容に反して 丁寧な口調なので他のシリーズを読んでいる人には 若干堅苦しく思われるかもしれません。 余計な繋がりを気にしないで済むので 今まで京極夏彦さんの小説を読んだことがない方は 本書から挑戦してみるのも良いと思います。

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