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ミステリアスな民話【飛鳥のガラスの靴】

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飛鳥のガラスの靴 (光文社文庫)

飛鳥のガラスの靴 (光文社文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1995/02
  • メディア: 文庫
■ヒトコト感想
日本古来の民話が、ミステリアス感を高めている作品。いつものごとく吉敷は自分を追いつめながら捜査を続ける。通子との関係がうまくいかないことから自暴自棄となり、手をださなくて良い仕事に手をだし、自分の立場を危うくする。右手首だけ郵送され行方不明の俳優を探す吉敷なのだが、その過程がすばらしく緻密だ。

限られた時間の中で、どのようにして真相にたどりつくのか。ある程度確信をもって捜査を進めるが結果がでない。そしてついに…。推理が大きく前進する瞬間というのは、なんだか心地良い。いつも以上に時間に追われ、せっぱつまった吉敷の行動というのは、読者をハラハラさせる。トリックは必ず暴かれると信じていながらも、不安な気持ちで読み進めた。

■ストーリー

映画俳優の大和田剛太の自宅に、差出人不明の郵便小包が届いた。なかから、塩漬けにされた剛太の右手首が…。剛太自身は行方不明のまま、事件は迷宮入りの様相を呈した。警視庁捜査一課の吉敷竹史は、この管轄違いの事件に興味を抱く。彼は主任と衝突しながらも、敢然とこの難事件に挑むが…。日本古来の民話を題材に、本格推理の鬼才が描く長編力作。

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