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物語フランス革命

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物語 フランス革命―バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書)

物語 フランス革命―バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書)

  • 作者: 安達 正勝
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2008/09
  • メディア: 新書
 1789年、フランスでは革命への気運が高まっていた。  土地を貴族・教会に握られ、関税によって自由な流通も阻害され、不満を持っていた富裕市民たち。生まれによる身分差別によって、貴族をうらんでいた中産市民たち。法外な年貢を巻き上げられ、貴族領主を憎む農民たち。王権の絶対的な力におびやかされていた貴族たち。それぞれの立場によって思いは違っていたが、国中で様々な不満が煮えたぎっていた。  国王であるルイ16世自身も、改革的なところがあった。当時、フランスの国家財政はひっ迫していて、このままでは経済破たんすることは目に見えていた。財政改革が必要な状態で、たとえば、税金の支払いを免除されていた貴族から徴税する仕組みなどを作りたかった。  フランスの国全体が、変化に向けて動き出し、三部会を開くなどして新たな政治体制の実現に向けて模索を開始。「国民、国王、国法!」をスローガンに、国民と国王が一丸となっての新たな国づくりが試みられた。立憲君主国へと生まれ変わることを目標に、平和裏のうちに改革が終わるはずであった……。  だが、そんな計画にも、やがてひずみが生まれ始める。民衆同士が戦闘が繰り広げるなど、激しい様相を帯びるようになってしまう。その後、恐怖政治が始まったりもして、フランス革命は数多くの死者を生み出す悲劇の革命へと変貌を遂げる。また、革命騒動は国内にもとどまらなかった。フランスは革命を恐れる諸外国の敵とみなされて、全ヨーロッパを相手に回しての戦争状態へと突入することに――。  本書は、こうしたフランス革命のいきさつを描きだした本。フランス革命がどのように始まって、どのように展開していったのか、その一連の流れがよく分かる内容。ときには、登場人物たちのセリフを交えながら書かれてあって、小説を読むような生き生きとした臨場感も感じられる。  ルイ16世、マリー・アントワネット、ダントン、ロベスピエール、ナポレオンなど、主要な人物の評伝も丁寧に描き出されているし、革命を理想として戦闘行為に加わった女性テロワーニュ・ド・メリクール、フランス革命の指導者マラーを暗殺した女性シャルロット・コルデ、ルイ16世の死刑執行を務めた執行人サンソン、マリー・アントワネットの愛人とされるアクセル・フェルセンなど、あまり知られていないような人物も数多く登場して、興味深いエピソードが満載。こういう人々のうねりが歴史を作っていったんだなあということが見えてきて面白い。  そもそも、革命が平和的に終わらず、方向性が変わることとなったきっかけとなったのは、ルイ16世の心変わりなんだそうだ。  国王の思いは、揺れ動いていた……。革命が進行するにつれて権限が縮小されていくことへのいら立ち。王家としての伝統への誇り。革命をこれ以上進めることは許されないと感じ始めた王様は、外国への逃亡を図ろうとする。しかし、脱出計画が発覚して、逃亡に失敗すると、民衆は国王の裏切りに失望。ルイ16世を敵とみなし、「王政を廃止せよ!」との声が上がり始める。  革命騒ぎがどんどんエスカレートしていく様子がまざまざと描かれていて壮絶。こんな風に進展していったのかということが目に見えるよう。  フランス革命が始まる発端のところから、ナポレオンの戴冠まで描かれている。読んでいると、その後の世界史の流れを変えてしまった壮大な革命であることが伝わってくる。国民主権や法の前の平等といった、今では当たり前となっているような概念も、この時代に作られたのだ。後世の国々に圧倒的な影響を与え、日本の憲法にもフランス革命の精神は脈々と受けつがれている。  世界の流れを変えた革命の動きが分かるとともに、人々がどんな思いを持っていたのか、いろいろな人間ドラマまで知ることのできる興味深い一冊だった。

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