日本人ならだれでも知っている、といえるほどの超有名本です。
「天は人のうえに人をつくらず」という自由平等の精神が有名ですが、この本の柱はもうひとつあります。
それは、独立独歩の精神です。
学問のすすめも、学問を身につけて、独立独歩の精神で歩むことを個人、国ともに求めています。
この本が書かれた明治初期、日本は半独立国で、治外法権、片務的最恵国待遇、関税自主権がないなど、いつ植民地に転落してもおかしくな状況でした。
ちなみにいまは国家収入における関税収入の割合はわずかですが、当時の各国は金銭収入の多くを関税に頼っていました。
このような状況の中で、福沢諭吉が目指したのは、四民平等とともに、民が学問を身につけ、力をつけることで国力を増大させ、日本の独立を守ることです。
官に頼らずの精神で貫かれていますが、かといって反権力でもなく、お互いに協力していくという思想がはっきりと読み取れます。
このバランス感覚には、だれもがうなずかされると思います。
この本が書かれて100年以上経過しています。
それでも、いまなお、見直すべき内容が多数含まれていると思います。
↧