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【書評】福沢諭吉『学問のすすめ』

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日本人ならだれでも知っている、といえるほどの超有名本です。
学問のすすめ (1967年) (旺文社文庫)

学問のすすめ (1967年) (旺文社文庫)

  • 作者: 福沢 諭吉
  • 出版社/メーカー: 旺文社
  • 発売日: 1967
  • メディア: 文庫
「天は人のうえに人をつくらず」という自由平等の精神が有名ですが、この本の柱はもうひとつあります。 それは、独立独歩の精神です。 学問のすすめも、学問を身につけて、独立独歩の精神で歩むことを個人、国ともに求めています。 この本が書かれた明治初期、日本は半独立国で、治外法権、片務的最恵国待遇、関税自主権がないなど、いつ植民地に転落してもおかしくな状況でした。 ちなみにいまは国家収入における関税収入の割合はわずかですが、当時の各国は金銭収入の多くを関税に頼っていました。 このような状況の中で、福沢諭吉が目指したのは、四民平等とともに、民が学問を身につけ、力をつけることで国力を増大させ、日本の独立を守ることです。 官に頼らずの精神で貫かれていますが、かといって反権力でもなく、お互いに協力していくという思想がはっきりと読み取れます。 このバランス感覚には、だれもがうなずかされると思います。 この本が書かれて100年以上経過しています。 それでも、いまなお、見直すべき内容が多数含まれていると思います。

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