「木に学べ 法隆寺・薬師寺の美」
著者:西岡常一
発行:小学館
法隆寺は七世紀、飛鳥時代に創建されたと伝えられる寺院。
金堂・五重塔を中心とした西院伽藍、夢殿を中心とした東院伽藍からなり、
西院伽藍は現存する世界最古の木造建築物群である。
その建造物は焼失と再建、修理によって、
各時代の建築や美に対する考え方が反映されたものとなっている。
飛鳥時代に建造された寺院は他にもあるが、何故法隆寺だけが当時の姿を
とどめているのだろうか。
本書は、法隆寺の「昭和の大修理」や、法輪寺三重塔、薬師寺金堂や
西塔などの復元を行った最後の宮大工棟梁、西岡常一氏への聞き書きに
よるものである。
「建造物というものは重いもんでっせ。
その荷重を、いかにうまく分散して太い柱で支えるかが構造ちゅうもんです。
それぞれの部材が十分役目を果たして、余分というもんがないというのは
美しいもんです。飛鳥の工人が作ったものは、その代表ですな」
構造を大事にし、木の生命と自然の命を考え、大工が信仰心を持って作ったものであるから、
1350年も保たれたのだという。
法隆寺の古釘で作ったヤリガンナ、松炭を燃やして砂鉄で作った手斧、
桐の柄のノコギリ、和釘やノミ、カンナ、道具の材質や形にも皆、
意味がある。
仕事への思い入れ、隅々までの細やかな気配りが素晴らしいと思った。
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