$ 0 0 ドフトエフスキーの中編小説2つです。 重い主題があると感じられる作品でした。朝の通勤電車の中で読んでいると、職場に着く頃には頭の中が本の内容で埋まっていました。 「やさしい女」は妻の亡骸の前で夫が回想する形式で語られます。 男が営む質屋に貧しさゆえに質草を持ってくる女、これが二人の出会いでした。 破綻した夫婦生活の末に女が自殺する、これが二人の別れでした。 救われないストーリーです。ナイフで抉(えぐ)った傷口をグロテスクなまま見せられているようでした。