一瞬そのフィギュアが揺らいだように見えると、 パーシングと逸鬼がそれに反応するように、 お互いの後方に飛び退(すさ)った。 「な…なんだ…!?」 「…この気は…!?」 ふたりがそのフィギュア、 華子さんからその強力な気が発せられてると気付くまでに 多少の時間を必要としたが、 元が刀な分だけ逸気の方が 華子さんに気付くのが早かった。 「逸鬼っ! 急ぎもどるがいい! 脱出するぞっ!」 薫子が叫び、 脱出用チューブに向かう逸鬼の後を パーシングが追いすがろうとすると、 エレベータシャフトから落ちてきた、 何本もの天部アンドロイドたちの腕や足が、 バリケードを築いてその行く手を阻んだ。 その中心には華子さんがいて、 だんだんと巨大な人型になっていく。 つづく
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