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ウイルス ミクロの賢い寄生体

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ウイルス ミクロの賢い寄生体 (サイエンス・パレット)
 
Dorothy H. Crawford/著 永田恭介/監訳
出版社名 : 丸善出版(サイエンス・パレット 016)
出版年月 : 2014年4月
ISBNコード : 978-4-621-08816-6
税込価格 : 1,080円
頁数・縦 : 240p・18cm


 ウイルスについて総合的に解説した概説書。とは言え、結構専門的な内容である。
 巻末に「用語集」があり、本書に出てくる専門用語の簡単な解説がされている。

【目次】
1 ウイルスとは?
2 世界中ウイルスだらけ
3 殺すか殺されるか
4 新興ウイルス感染症
5 流行と大流行
6 持続感染ウイルス
7 腫瘍ウイルス
8 形勢逆転
9 ウイルスの過去、現在、未来

【著者】
クローフォード,ドロシー・H. (Crawford, Dorothy H.)
 英国の医学者。ウイルスとヒトの腫瘍に関する研究に従事。2005年に医学と高等教育への貢献で大英帝国勲章を受章。2007年よりエディンバラ大学のPUM(一般市民の医学の理解)部門の教頭を務める。

永田 恭介 (ナガタ キョウスケ)
 1953年生まれ。筑波大学学長。薬学博士。アルバート・アインシュタイン医科大学博士研究員、スローンケタリング記念がんセンター研究員、国立遺伝学研究所助手、東京工業大学准教授、筑波大学基礎医学系教授などを経て2013年より現職。

【抜書】
●ウイルスの発見(p5)
 マルティヌス・ベイエリンク(1864-1920)、ヴァーヘニンゲンの農業学校の微生物学教師。1898年、細菌濾過器を通過するとても小さな物質の存在を確認。
 その物質は分裂細胞中で培養することができる。植物に感染させたときにはいつでも完全な病原性を再現できる。
 「ウイルス」と名付ける。ラテン語で、毒、毒薬や粘液性の液体という意味。

●偏性細胞内寄生体(p10)
 細菌のように自立して生きている細胞は、タンパク質を作るリボゾーム、エネルギーを産生するミトコンドリアなど、細胞壁や細胞膜を通して分子を内部に取り込むための複雑な膜構造といった、生存に必要な様々な細胞内小器官を持っている。
 ウイルスは細胞ではなく、これらの構造を持っていない。生存活動をするためには生きた細胞に感染するほかない。細胞を乗っ取り、必要な細胞内小器官を利用する。

●全生物最終共通祖先(p20)
 全生物最終共通祖先(LUCA: last universal cellular ancestor)。
 ウイルスは、古細菌、真正細菌、真核生物の3つの生物界ドメインのいずれにも感染するので、「全生物最終共通祖先」から進化してきたと予想されている。

●シアノファージ(p31)
 シアノファージ(藍藻ウイルス)……藍藻類(シアノバクテリア)に感染する海洋ウイルス。自身の光合成遺伝子を持っている。
 ウイルスの遺伝子は、感染すると宿主の遺伝子発現を抑えてウイルス・タンパク質を作り、増殖する。しかし、そのために宿主自身が行っている光合成が阻害されると宿主が死んでしまうので、それを避けるために、シアノファージは、自らが持っている光合成遺伝子群を宿主に供給する。
 世界中の光合成の10%がシアノファージ由来の遺伝子によって行われていると推定。

●50万人(p85)
 ウイルスが外部から持ち込まれることなく、地域社会内で継続的に感染を持続するために必要な最小の流行初期の人口数=50万人。アイスランド、グリーンランド、フィジー、ハワイなど様々な人口規模の島ではしかの流行を研究した結果。
 紀元前5000年頃、肥沃な三角地帯で同程度の人口の町が初めて出現。その時以降、はしかのようなウイルスは動物とのつながりを断ち切り、完全にヒトの病原体となることができた。

(2014/6/22)KG

〈この本の詳細〉
honto: http://honto.jp/netstore/pd-book_26164130.html
e-hon: http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033087022


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