一般人にはほとんど知られていない航空自衛隊の広報室を主役にした小説です。
人気小説家だけあり、構成が手馴れています。 突飛なキャラクターが出てきて、やや極端すぎるかなと思う部分もありましたが、各章でそれぞれのキャラを主人公にすることで、きっりちとバックストーリーを回収しています。 冒頭で主役二人のテーマが提示され、それが最後まできっちりと生かされ、最後には二人とも人間的に成長していきます。 あと書きにありますが、本作が生まれたきっかけというのが、広報室から「航空自衛隊をネタに小説を書きませんか?」と呼びかけられたことだそうです。 航空自衛隊が全面協力しているただけに場面には臨場感があり、細部に拘っている感じがします。 小説はじっくりよむ媒体ですので、TVのような即効性はありませんが、じっくりと自衛隊への理解を深める良いアイデアだと思います。 自衛隊の好感度が上がっているタイミングで発表できたのも良かったと思います。 最終章は『あの日の松島』という題になっています。震災後に書き足された章です。 ここに出てくる自衛隊は有事における素の姿であり、かつ作者が感じた素直な印象だと思います。 頭の下がる思いに共感します。 一時期散見されたような、心無い非難が無くなる日を願いまして。↧





