【読書日記［14］】闇夜 警視庁失踪課・高城賢吾＠堂場瞬一

作者の堂場瞬一は多作家で知られています。 けど、個人的には堂場の名前を世に知らしめた「刑事 鳴沢了シリーズ」と本シリーズがベストと思います。というのは、他の作品を読んでもイマイチ感情移入できなかったからです。 やはり主人公の鳴沢了と高城賢吾は刑事という職業が本分ではありますが、どこか影を持っていて人間臭いところに惹かれます。また、主人公やその周囲の人間の台詞回しも現実的で好感が持てます。 本作”闇夜”は主人公高城が娘の悲劇を乗り越えて一歩踏み出す決意をする作品。シリーズの中でも読み応えのある作品に仕上がっています。 ある意味、シリーズのあたらな展開かという期待も得ましたが、次回作”献心”でシリーズの幕をおろすらしい。なんか寂しくもありますが、早く読んでみたい気もあります。 あらすじ 娘・綾奈と悲劇の再会からふたたび酒浸りの生活に戻り、無断欠勤を続けていた高城。失踪した七歳の少女の捜索に引きずり出されるが、少女は絞殺体で見つかり、事件の担当は失踪課から捜査一課に移ってしまう。娘を失った両親に自身を重ねた高城は犯人を捜し出すことを誓い、わずかな証言を元に執念の捜査を続けるが…。