評価:★★☆
はるかな未来、小惑星群の<監獄>に囚われていた"怪盗"ジャン・ル・フランブール。
ジャンは、謎の美少女・ミエリの手引きで脱出に成功するが、
脱獄の見返りに火星で"あるもの"を盗むこととを依頼される。
怪盗ジャンを迎え撃つのは、青年探偵イジドール・ボートルレ。
(まるっきりルブランの「ルパン対ホームズ」じゃないか)
というわけで、遠未来を舞台にした
スペースオペラ+サイバーパンクみたいな設定世界で、
怪盗vs名探偵という様式美的物語が繰り広げられる、というわけなんだが・・・
このハヤカワ・SF・シリーズを読んでいてよく分かったのは、
こういう「いかにも現代SF」という作品群とは
私は、とことん相性が悪いんだなあ・・・ということ。
主なストーリーが展開されるのは、火星の表面を「移動」する都市・ウブリエット。
ラストでは、このウブリエットのもつ秘密や、
一部の登場人物の出自などがあかされるなど、
ミステリっぽくないわけではない(微妙な言い回しだなあ)。
なかなか作品世界になじめずにいた私でも、何とか最後まで読めたのは
美少女かつ戦士にしてツンデレ(?)、というミエリのキャラのおかげか。
この作品、三部作の一作目だそうな。
うーん、どうしようかなあ。
ミエリの出番がもっと増えて、彼女の活躍するシーンがたくさんあるなら
読んでもいいかなあ。