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伊東潤さん「疾き雲のごとく」

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疾き雲のごとく (講談社文庫)

疾き雲のごとく (講談社文庫)

  • 作者: 伊東 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/03/15
  • メディア: 文庫
北条早雲を主人公に据えた連作短編集です。名前だけは知っていたものの、その経歴などは知らなかったので興味深く読みました。 「道灌謀殺」「守護家の馬丁」「修善寺の菩薩」「箱根山の守護神」「稀なる人」「かわらけ」の6編が収められています。 継母と弟を斬り堀越公方となった足利茶々丸。遊女・香月を伴い奥修善寺の隠し湯へ赴いた茶々丸は、湯壷で痩せぎすの若僧と打ち解ける。その正体も知らず―(「修善寺の菩薩」)。戦国黎明期を駆けた伊勢宗瑞こと北条早雲とは破滅の凶手か、革命の嚆矢か。宗瑞が照らし出す名だたる武将たちの光と影を描いた名篇集。 (「BOOK」データベースより) 北条早雲を主体に描いているのではなく、各編で対立したり協力関係にあった武将を描くことで混乱の東海~南関東の情勢に関与する北条早雲を浮かび上がらせるという手法を用いています。 太田道灌、上杉定正(相模国守護であり扇谷上杉家の頭領)、堀越公方、今川氏親(駿河・遠江守護)、三浦道寸などの武将と絡めることで北条早雲の登場から伊豆侵襲、小田原奪取、相模平定と領土拡大の過程が描かれます。 大器晩成型と思っていたのですが、若き北条早雲が理想の国づくりを掲げて時に計略をもって、時に武断で突き進む物語を楽しみました。

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