『人口減少社会という希望』 広井良典 2013/04
著者は千葉大学法経学部教授。 コミュニティのありかたなどについての本。
いろいろとテーマが盛り込まれていて、つかみどころがない。
章のまとめが「このような時代認識を踏まえ、従来よりひと回り大きな視点でこれからのあり方を議論していくことが必要となっているのではないだろうか」 という感じ。疑問を提示するが結論は述べないスタイル。
人口減少社会については、明治維新時が3300万人で、それよりは多いところで安定すると推定されている。著者は拡大すことが幸せではないという思想。
我々は、拡大の止まった”第三の定常期”への移行という人類史の構造変化に直面していると述べる。第一の定常期は農耕が開始される前。第二はBC5世紀から中世まで。
需要が飽和し、成長拡大を目的とする資本主義が臨界点に至っている。そして「定常型社会」へ移行するという。ここではコミュニティ経済と呼ぶべき新しい質の経済が浮上する。
TPPや混合診療には反対するとある。
消費税は「集める」段階で一定の逆進性があるが、「使う」段階で強い再配分機能が働く。所得税の累進強化と合わせて消費税をヨーロッパ並みの水準にしていく必要があると述べる。
ドイツを中心にその周辺の国では、中心部から自動車を排除した街が見られる。街の中は歩行者と自転車の空間になっている。
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