『劣化国家』 ニーアル・ファーガソン 2013/10
著者はハーバード大学歴史学教授。 西洋が衰退している背景を解説する本。
西洋は停滞しており、それは経済に限った話ではない。いま生じているのは単なるデレバレッジ(債務の圧縮)ではない。アメリカの障害者保険受給者は、1990年に3%だったのが6%に増えてきている。健常者が障害者に分類され、二度と働かなくなっている。2007年の金融危機後、別の州への移住率や社会的(階層間の)流動性も低下している。
アダム・スミスの『国富論』に次のようにある。 たとえ国富が膨大であっても、国が長期にわたって定常的であるなら、高い労働賃金は望めない。・・・労働貧民が最も幸せで快適な暮らしができるように思われるのは、最大限の富を獲得した時ではなく、さらなる獲得を目指して前進を続ける進歩的な状態にあるときだ。社会が定常状態にあるときの労働者は苦しく、衰退状態では惨めである。社会が進歩的状態にあるときは、どの階級も晴れやかで元気だ。
西洋は現在、過去500年間に経験したことのない、相対的な衰退を迎えている。
18世紀のイギリスを豊かにしたのは、当時のイギリス社会の制度が、貯蓄、投資、イノベーションを優遇したこと。
巨大な公的債務は制度的欠陥の産物。世代間の社会契約が破綻している。
金融危機から得るべき教訓は、規制緩和が悪いのではなく、まずい規制が悪いのだ。政府の複雑すぎる市場規制は、それが治療することを謳ってる病そのものではないかと思える。法の支配に対する敵は悪法、そしておそろしく長く入り組んだ法をつくる者たちだ。
アメリカは世界の中で団体を最もよく利用する国の一つだ。ところが最近これら任意団体が衰退している。イギリスでも同じくソーシャルキャピタルが衰退している。原因は国家の過剰なうぬぼれにより、市民社会の領域を侵害するようになったことだと述べる。
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『劣化国家』
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