<裏表紙あらすじ> 深夜、ロスの展望台で発見された男の射殺体。後頭部に二発。怨恨か処刑か――。殺人事件特捜班での初仕事に意気込むボッシュだが、テロリストが関与している可能性が浮上。FBIの捜査介入に阻まれながらも、ボッシュはひたすら犯人を追う。十二時間の緊迫の捜査を描く、スピード感溢れる傑作サスペンス。 シリーズ第13弾となる本書「死角 オーバールック」 は、シリーズ1 の異色作だと思います。 まずもって、本が薄い! (笑) 上下本ではなく1巻本で、400ページ以下。海外ミステリのなかではかなり短い長編です。 次に、あらすじにも書いてありますが、物語の中で流れる時間が、わずかに12時間ちょっとであること。 「コナリー版『24 ―― Twenty Four』の評もある」と訳者あとがきに書かれていますが、緊密な時が流れています。 そして、もともとは新聞連載であったということ。ニューヨーク・タイムズ・マガジン(日曜発行)で16回分載だったらしいです。 海外で(新聞)連載って、最近では珍しいですよね。おもしろいなと思ったのは、連載だから短くなっている、ということでしょうか。日本の場合、連載物はだらだらと(失礼!)長くなってしまっているケースが多いように思われるのですが、逆なんですね。 単行本にあたって書き直しを行い、最終的には三割前後分量が増えたとのことですが、1回三千語という制約のもと書いていたそうです。 連載物だと、切れ目切れ目で毎回山場を作るのが大変だったでしょうね。そこはコナリー、難なくこなしていますが。 ボッシュは、前作「エコー・パーク」(上) (下) (講談社文庫) (ブログの感想へのリンクはこちら)のあと、未解決事件捜査班から殺人事件特捜班へ異動しています。 普通の刑事に戻ったわけですね。 事件の方は、被害者が医学物理士で、放射性物質を扱う職業であったため、セシウム放射性物質をめぐるテロのおそれがあるとやらでFBIが介入してきます。なかなか派手でいいです。 おお、FBIの介入。アメリカにおける警察小説の定番中の定番ではありませんか。ボッシュも何度も経験していますね。 いつも通り、そして読者の期待通り、ボッシュは突っ張ってくれます。ちょっと突っ張り過ぎかなぁ、とも思うところもありますが、まあ、それでこそボッシュということで。 目まぐるしくスピーディーにストーリーは展開し、ラストの意外な解決まで(ミステリ好きにはわりと見抜きやすい真相ではありますが)一気に突っ走ります。 この勢いを楽しんでください。
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