「七つの会議」 著・池井戸潤
もとが新聞連載だからか、細切れ感が少々残る一冊。「こんな作風」と言われればそうなのか~と思うくらいだから、そう気にはならないが。
『みっちりギュッと』感は薄いものの、十分面白い。企業色は薄め(というか、単一)で、お得意?のサラリーマンの立場を背景にひとつひとつ話は進む。会議を経るたび、選択を迫られ、登場人物は己と向き合う。
紆余曲折しながらも『正義』が『信念』が貫き通され、迎えた苦い結末はハッピーエンドとは言えないが、それでも「これしかない」と思われる結末に、ため息が漏れる。面白いなぁ池井戸潤。
十分満足な一冊。
どちらかと言えば、『空飛ぶタイヤ』の方が好きだけど。
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